住所のない液状のこころ
適所に置いて固めていく
きっとサナギも苦しいのだ
身体の真ん中の奥底のほうに入れ物が置いてある。
うぶ毛も生えていない、やわやわとしていて、さわるとヒリヒリするところがそこ。
分野にはおおよそわかれているのだろうけども、整理もしておらず蓋をして置いてある入れ物。
この中身を整理したいのは、もやもやするからと、ほんとうの気持ちを知りたいから。
この入れ物の中には感情が入っている。
そのときの客観的な状況が入っている。
ぐるぐる、ぐるぐるしている。
住所のない液状のものたちが混濁している。
整理をするためにはそれらをまた感じなければならないし、
整理をしないことで気付くことのなかったことを
いいことも、わるいことも、感じなければならない。
ヒリヒリするところに手を入れる。
ほんとうは何なのかを確かめるには
ひとつずつ心に照らし合わせて心のチクリを思い出す必要がある。
この感情を固めて置いておくためには「言葉」が必要だ。
いちばんもやもやせずちょうど良い言葉としての形状を、
この言葉かな、そうじゃないかな、とまた心の前にその言葉を置いてみて
チクリと一番近い重みと質感のものを照らし合わせていく。
とても苦しい。
でも、この先にあるものを知っている。
蝶になるためのサナギも、きっと苦しいのだ。
コメント